Festina lente

急がば回れ(ラテン語)。時には寄り道も。

ジャンケンに「井戸」

今日から年末のお休み開始!ということで、何となく朝起きてテレビを観ていたら、
ロシアやドイツではジャンケンをするときに、「グー」、「チョキ」、「パー」以外に「井戸」という出し手があることを知りました。

「手の形」としては、こんな感じのようです:f:id:kyoro1:20131228150954p:plain
「グー」の形で指を握る部分を少し空ける感じ、、でしょうか。

ルールとしては、

  • グー vs 井戸 -> 井戸が勝ち(石ころが井戸に落ちてしまうから)
  • チョキ vs 井戸 -> 井戸が勝ち(ハサミが井戸に落ちてしまうから)
  • パー vs 井戸 -> パーが勝ち(井戸を塞いでしまうから)

で、この「井戸」の出し手を出すことによって、勝つ確率がどう変わるか考えてみましょう♪

早速ですが、

通常の*1ジャンケンの場合、出し手によってどちらが勝つかをまとめてみました。

- グー(A) チョキ(A) パー(A)
グー(B) - B A
チョキ(B) A - B
パー(B) B A -

今回は、簡単のためのジャンケンでいう心理戦などを横に置いておいて、A, Bがグー・チョキ・パーを当確率で出すとしましょう。
仮にBがグーを出すとき、表を横に見ると、Aの出し手によって、

- グー(A) チョキ(A) パー(A)
グー(B) - B A

となりますから、

  • (Bが勝つ確率)=(Aがチョキを出す確率)=1/3
  • (Bが負ける確率)=(Aがパーを出す確率)=1/3
  • (アイコになる確率)=(Aがグーを出す確率)=1/3

となりますね。Bの出す手が他のものでも、全く同様です。

つまり、どの出し手でも勝ち・負け・アイコの確率は全て1/3ですね。上の表に列を3つ追加してみましょう:

- グー(A) チョキ(A) パー(A) Bが勝ち Bが負け アイコ
グー(B) - B A 1/3 1/3 1/3
チョキ(B) A - B 1/3 1/3 1/3
パー(B) B A - 1/3 1/3 1/3

さて、「井戸」のを出し手を加えてみます。

上記の表を拡張してみます。

- グー(A) チョキ(A) パー(A) 井戸(A)
グー(B) - B A A
チョキ(B) A - B A
パー(B) B A - B
井戸(B) B B A -

先ほどと同様にBがグーを出す時の勝ち・負け・アイコの確率を計算してみましょう。

- グー(A) チョキ(A) パー(A) 井戸(A)
グー(B) - B A A
  • (Bが勝つ確率)=(Aがチョキを出す)=1/4
  • (Bが負ける確率)=(Aがパー、もしくは井戸を出す)=2/4=1/2
  • (アイコになる確率)=(Aがグーを出す)=1/4

分母が4になることに注意です!

そうすると、Bがグーの場合はAの出し手により

(勝つ確率)<(負ける確率)

ですね。

同様に考えると、Bがパーもしくは井戸の時は

(勝つ確率)>(負ける確率)

となります。先ほどと同様に右側に列を

- グー(A) チョキ(A) パー(A) 井戸(A) Bが勝ち Bが負け アイコ
グー(B) - B A A 1/4 1/2 1/4
チョキ(B) A - B A 1/4 1/2 1/4
パー(B) B A - B 1/2 1/4 1/4
井戸(B) B B A - 1/2 1/4 1/4

つまり、「井戸あり」のルールの場合は、「パー」か「井戸」を出すと勝つ確率がグッと上がりますね。
但し、状況は相手にとっても同様なので、勝ち負けの確率は変わりません。

なお、ちょっと注目したいのは、アイコの確率が井戸なしで1/3、井戸ありで1/4ですから勝負はつきやすくなります!

年明けの「一発ネタ」として日本でも使ってみてはいかがでしょうか?

*1:「井戸」無しの