ジャンケンに「井戸」
今日から年末のお休み開始!ということで、何となく朝起きてテレビを観ていたら、
ロシアやドイツではジャンケンをするときに、「グー」、「チョキ」、「パー」以外に「井戸」という出し手があることを知りました。
「手の形」としては、こんな感じのようです:
「グー」の形で指を握る部分を少し空ける感じ、、でしょうか。
ルールとしては、
- グー vs 井戸 -> 井戸が勝ち(石ころが井戸に落ちてしまうから)
- チョキ vs 井戸 -> 井戸が勝ち(ハサミが井戸に落ちてしまうから)
- パー vs 井戸 -> パーが勝ち(井戸を塞いでしまうから)
で、この「井戸」の出し手を出すことによって、勝つ確率がどう変わるか考えてみましょう♪
早速ですが、
通常の*1ジャンケンの場合、出し手によってどちらが勝つかをまとめてみました。
- | グー(A) | チョキ(A) | パー(A) |
---|---|---|---|
グー(B) | - | B | A |
チョキ(B) | A | - | B |
パー(B) | B | A | - |
今回は、簡単のためのジャンケンでいう心理戦などを横に置いておいて、A, Bがグー・チョキ・パーを当確率で出すとしましょう。
仮にBがグーを出すとき、表を横に見ると、Aの出し手によって、
- | グー(A) | チョキ(A) | パー(A) |
---|---|---|---|
グー(B) | - | B | A |
となりますから、
- (Bが勝つ確率)=(Aがチョキを出す確率)=1/3
- (Bが負ける確率)=(Aがパーを出す確率)=1/3
- (アイコになる確率)=(Aがグーを出す確率)=1/3
となりますね。Bの出す手が他のものでも、全く同様です。
つまり、どの出し手でも勝ち・負け・アイコの確率は全て1/3ですね。上の表に列を3つ追加してみましょう:
- | グー(A) | チョキ(A) | パー(A) | Bが勝ち | Bが負け | アイコ |
---|---|---|---|---|---|---|
グー(B) | - | B | A | 1/3 | 1/3 | 1/3 |
チョキ(B) | A | - | B | 1/3 | 1/3 | 1/3 |
パー(B) | B | A | - | 1/3 | 1/3 | 1/3 |
さて、「井戸」のを出し手を加えてみます。
上記の表を拡張してみます。
- | グー(A) | チョキ(A) | パー(A) | 井戸(A) |
---|---|---|---|---|
グー(B) | - | B | A | A |
チョキ(B) | A | - | B | A |
パー(B) | B | A | - | B |
井戸(B) | B | B | A | - |
先ほどと同様にBがグーを出す時の勝ち・負け・アイコの確率を計算してみましょう。
- | グー(A) | チョキ(A) | パー(A) | 井戸(A) |
---|---|---|---|---|
グー(B) | - | B | A | A |
- (Bが勝つ確率)=(Aがチョキを出す)=1/4
- (Bが負ける確率)=(Aがパー、もしくは井戸を出す)=2/4=1/2
- (アイコになる確率)=(Aがグーを出す)=1/4
分母が4になることに注意です!
そうすると、Bがグーの場合はAの出し手により
(勝つ確率)<(負ける確率)
ですね。
同様に考えると、Bがパーもしくは井戸の時は
(勝つ確率)>(負ける確率)
となります。先ほどと同様に右側に列を
- | グー(A) | チョキ(A) | パー(A) | 井戸(A) | Bが勝ち | Bが負け | アイコ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
グー(B) | - | B | A | A | 1/4 | 1/2 | 1/4 |
チョキ(B) | A | - | B | A | 1/4 | 1/2 | 1/4 |
パー(B) | B | A | - | B | 1/2 | 1/4 | 1/4 |
井戸(B) | B | B | A | - | 1/2 | 1/4 | 1/4 |
つまり、「井戸あり」のルールの場合は、「パー」か「井戸」を出すと勝つ確率がグッと上がりますね。
但し、状況は相手にとっても同様なので、勝ち負けの確率は変わりません。
なお、ちょっと注目したいのは、アイコの確率が井戸なしで1/3、井戸ありで1/4ですから勝負はつきやすくなります!
年明けの「一発ネタ」として日本でも使ってみてはいかがでしょうか?
*1:「井戸」無しの