Festina lente

急がば回れ(ラテン語)。時には寄り道も。

線型代数・事始め

あけましておめでとうございます。*1

データ分析や統計処理でよく使う線型代数ですが、そもそもこれを勉強するのに必要な数学って何だろうと思って年末年始でちょっと考えてみました。

まずは、高校数学

中学数学は取り敢えず一通り勉強しておいてほしいところです。
しかし、高校で習う数学を全て使うかと言うと、そういうわけではありませんね。*2
線型代数に直接的に必要そうなものと言えば、

  • ベクトル
  • 内積
  • 2次以上の方程式*3
  • 外積(もしあれば)
  • 行列(もしあれば)
  • 複素数(もしあれば)

「もしあれば」という部分は、知っていればいいですね。これら以外*4知っておくといいのは、

  • 素朴集合論(集合、写像とは何か?)
  • 代数系の知識(二項演算)
  • 一般位相(開集合系、連続写像あたり)

あたりでしょうか。*5

ベクトルって何だった?

取り敢えず、「ベクトル」を思い出してみます。自分が高校で習った時には、

大きさと向きを持つ量

として習った記憶があります。具体的には、

  • 自動車の速度
  • 各地点での風向き

あたりをイメージしておけばいいでしょうか。


「自動車の速度」については、アクセルを踏み込む力を強くすればどんどん速度がつきますよね。速度20km/hより30km/hの方が速いです*6 一方、ハンドルを左右に傾ければその分だけ左右に動きます。
そういった自動車を外からみると、「大きさ(=速さ)」と「動く向き」の2つが同時に定まります。そういったものをベクトルと呼んでいました。


「各地点で風向き」については、天気予報を思い浮かべればいいと思います。

東京で北北東の風が、風速3mの予定です。

という感じの報道を耳にしますよね。「北北東の風」が「向き」、「風速3m」が「動く速さ」に相当します。自動車の例と同様に、「大きさ」と「向き」が同時に決まるのが分かるかと思います。


ここまでは、日常生活でも体感している部分だと思いますが、一歩踏み込む部分が話をややこしくしている部分かも知れませんね。
それは、「ベクトルの和」、「ベクトルの◯◯倍」の部分です。次回はこの辺りを見ていくことにしましょう。

*1:このブログは昨年末から始めたので、いずれにしても始まったばかりという感じですが、、

*2:例えば、三角比(三角関数)、指数関数、対数関数、微分積分あたりは知っていて損はないし、特殊なケースで顔を出しますが、線型代数の王道からは必要なさそうです

*3:中学生で2次方程式は習うことを前提に、3次やそれより高い次元の方程式をイメージしています

*4:つまり高校数学を超えたところで

*5:以上で線型代数の「本質」の部分は理解できると思いますが、数学の理論としてより広範なものを扱う場合は、別の道具立てが必要です。

*6:当然過ぎますが、、